鋼の巨人・ブルームナイト


ブルームナイト開発秘話
 ※これは「NWOS」におけるブルームナイトの開発経緯の考察(妄想)です。本家「ナイトウィザード2nd」
のブルームナイトシリーズとは無関係であることを念頭においた上で閲覧ください。
 また、今後のNWOSにおける展開によっては変化することが十分ありえます。あわせてご注意ください。

・人形汎用箒「ブルームナイト(Bloom knight)」
 ブルームナイトとは、トリニティ、煌重工、ミーゲ社、黒場インダストリアル、オカジマ技研が
中心となり、開発・生産している二足歩行人形箒の総称である。
 国土防衛隊『黒猫』に採用された「星辰」とは開発経緯が異なり、元々は災害救助用マニピュレータとして
設計されていたものとも、異世界の技術を取り込んだものともされている(要するに、各社ごとに開発経緯が異なる)が、
ネクストウォーフェアの進展による各社合意の結果、規格がある程度統一されている。
 

・開発の経緯/マジカルウォーフェアが残した傷痕

 後に、「マジカル・ウォーフェア」あるいは「宝玉戦争」と呼ばれた大きな戦いは、世界結界に大きな傷を残した。
この、致命的かつ巨大な歪みは「戦争以前では発見例が少なかった超大型クリーチャーの増加」という結果と
なり現れる事になる。ウィザードが”常識”を否定する物といっても、流石に体格差と、言う事すらおこがましい
圧倒的巨大な敵を前に、苦戦を強いられる事が多くなっていった。
 その打開策として白羽の矢が立ったのは、各メーカーが開発を進めていた「巨大かつ、人間に近い姿を持つ
機械式箒」であった。「宝玉戦争」以前、メーカー毎独自に開発を進められていたこれらの箒は、戦争終結を
機に、規格の共通化・量産体制の強化が図られる事となる。


・鋼の巨人、その源流

 ◆トリニティ系列「フォモール」
  米ロックラン・コープが開発し、本社トリニティが生産を引き継いだ完全自立式人型戦闘機械。輸出仕様や
 (最早公然の秘密だが)Wiz系犯罪組織による派生機から齎された、戦闘実証されたデータにより高い信頼性
 を誇り、「ブレス」と呼ばれる有人式の機種も少数ながらも生産されていた。当初は、より生産性を高めた
 「バロール」(※後に生産された正式量産型と区別するため、「プロト・バロール」とも)が開発される予定であった
 が、上記事情により設計の変更を余儀なくされた。
  なお、煌重工もWiz系犯罪組織が運用していたフォモールを鹵獲・接収しており、これらの研究が後の次世代機
 に活かされている為、大きな意味では煌重工製BKもフォモールの流れを汲んでいる、とも言える。

 ◇ミーゲ・黒羽Id系列「『NBE−1アーキテクチャ』」
  元は、オクタヘドロン社が保有していた「異界の兵器技術を記録したアーティファクト」。その外見は、拳大の
 緑色のクリスタルとされ、前世紀の電子技術の発達はこのアーティファクトの影響が強い、とされている。
  独・ミーゲ社、および日本・黒場インダストリアルはオクタヘドロンより、上記アーティファクトから抽出された
 データを提供され、これを元に人型戦闘機械の共同開発を行っていた。その為、後に両社から販売された
 BKは電子系から駆動系など多くの点で共通点が多く、両社の関係者からは、「生き別れになった双子の姉妹」
 と評される事も。
 

 □オカジマ技研「メガ=デウス及びガイオウ」
  各メーカーにおいて、「規格の共通化」最大の障害の一つが「操縦系列の共通化」であった。その際、オカジマ
 は自社が開発に関与していたメガ=デウスやガイオウ(シリーズ)のノウハウを活用し、操縦者のバイタルデータ
 とリンクし、機体コントロールを容易とするシステムを構築。この技術が認められ、BKのコクピットブロックは現在
 オカジマが独占的に開発・生産を行っている状態にある。なお、この際専用パイロットスーツのデザインについて
 多少物議がかもされた。「このデザインは絶対に開発者の趣味」が、衆目(主に女性テストパイロット達)の一致
 した見解か。


・二つの翼/各社の推進ユニット
 各社の規格共通化の努力により、「カタログスペックではどのメーカーのBKも変わらない」とされているが、推進
ユニットの違いにより微妙な差異は確実に存在している。

 ◆プラーナ変換式単発ロケットエンジン
  主にフォモールの流れを汲むトリニティ・煌重工式BKに用いられる方式。搭乗したウィザードから発せられる
 プラーナを熱エネルギーに変換し、固体燃料に着火して推進力に転化する。機械式箒の推進ユニットとしては
 「枯れた技術」ではあるが、それ故生産性・整備性に優れており故障にも強い。また、直進性・加速力に優れる。

 ◇プラーナ圧縮式双発ジェットエンジン
  「NBE−1アーキテクチャ」が用いられたミーゲ・黒羽製BKに用いられる方式。「ヴァルキューレ・シリーズ」とも
 共通する方式であり、搭乗者のプラーナを圧縮・相転移させた特殊な粒子を開放・着火することで推進力を得る。
 構造の複雑化、それに付随する生産性・整備性の悪化を招くが、2基の推進ユニットを独立して稼動する事が
 可能な為、旋回性・操作性に優れる。


・巨人の血統/各メーカーにおけるBK及び派生機

 ○ディナザーブル  メーカー:黒羽インダストリアル
  黒羽インダストリアルが製造・生産しているロシア向け仕様。国内仕様として「蓮鶴」がある。ディナザーブル
 とはロシア語の「恐竜」の意。集団戦闘における継戦力を重視しており、やや大型化されたセンサーマストや
 スパイクベーンを設置。これを慣性制御に用いる事で他メーカーと比較すると燃費・稼働時間に優れる。
  ロシア仕様と日本仕様の違いは頭部ユニット。ロシア仕様がゴーグルタイプのカメラにワイアカッターが設置
 され、日本仕様はツインアイ方式のカメラでワイアカッターが無い。そのシルエットはヒロイックな印象を受けるが、
 これは開発チームの「格好悪いメカは勝てない」と言う持論によるもの、らしい。

 ◎ヴィクトリア  メーカー:ミーゲ社
  ミーゲ社が製造・生産しているヨーロッパ向け仕様。ヴィクトリアとは「勝利の女神」の意。勝利の天使ヴィクターとも。
 元々が黒羽Idとの共同開発である事から、設計コンセプトはロシア/日本仕様機とほぼ同一の物である為、ロシア/
 日本仕様機とデザインラインに多くの共通点が見受けられる物の、こちらは近接格闘用ブレードを兼ねた大型の
 カナードが特徴。欧州デザイナーによる「中世の鎧騎士」をイメージした優美なフォルムは黒羽Id関係者をして「認め
 よう、世界一美しいBKはミーゲのヴィクトリアだ」と言わしめた(なお、「ただし、世界一カッコいいのはウチのBKだけどな!」
 と続き、その場にいた両社スタッフは一瞬の沈黙の後、大爆笑したと言う)。

 ◇バロール(正式量産型)  メーカー:トリニティ
  トリニティ社が製造・生産しているアメリカ市場向け仕様。バロールとはケルト神話におけるフォモール神族の頭領
 に由来する。アメリカ軍で(秘密裏に)採用予定の為、何よりもパイロットの安全性・生存性を重視した機体設計を
 持つ。また、推進ユニットも信頼性・整備製の高い単発ロケットエンジンを採用している為、他メーカーに比べると
 マッシヴな外見をしている。頭部ユニットは、フライトヘルメットに似た外装に紅いモノアイ方式のカメラというレイアウト
 になっており、機体名の由来となった単眼の魔王バロールを思わせる。これは、視覚による威圧効果を狙っている
 らしい。他メーカー関係者からは、「良くも悪くもアメリカらしい機体」と評された。

 ☆殲撃(ジャンジ)  メーカー:煌重工
  煌重工が製造・生産している中国・台湾向け仕様。殲撃とは中国空軍で採用される戦闘機のペットネームであり、
 台湾仕様は「経国(チンクォ)」と呼ばれる。同じくフォモールを源流とするバロールと似た機体設計だが、頭部ユニット
 は大きく違い、頭部前面を大きく覆うホッケーマスク状の装甲の下から、三対のカメラが覗く構造となっている。
 これは、密集戦闘時におけるメインセンサー破損を防ぐ為の設計であり(実際、他メーカーBKに比べて頭部の破損
 率は大幅に低かった)、また威圧効果を狙ったものと思われる。その紅く輝く6つ目から、他国のBKドライバーからは
 「スパイダー(蜘蛛)」と呼ばれることも。


派生機

 ・ヴォールク  メーカー:黒羽インダストリアル
  黒羽インダストリアルがBK開発で得た技術で独自に開発した、4足歩行肉食獣型強襲箒。ヴォールクとはロシア語
 で「狼」を意味する。飛行能力をオミット、4足歩行形式の陸戦型箒に機能を限定しており、地上での走破性はBKを
 上回る。また、推進ユニット及び二足歩行用バランサーのオミットによる低コスト化がなされている。
  飛行箒が入り込み辛い入り組んだ地形(森林・山岳部)での高速突撃・強襲を目的とした機体で、キマイラ等の
 肉食獣クリーチャーのモーションパターンを徹底的に解析・再現する事で、黒羽Idの技術力を見せ付ける形となった。

 

・発展する巨人の系譜
 世界結界の弱体化による、クリーチャーの大型化・凶暴化を受け、BKの需要は今後も高まっていくと予想される。
そんな中、メーカー同士のシェア争いは加熱傾向に向かいつつある。事実、黒羽Idが開発した「ヴォールク」の出現
を皮切りに、各メーカーの設計思想をより濃く反映した新鋭機の開発が検討されているという情報もある。
 「第4世代箒」とも分類される人型箒ブルームナイト。この箒が今後どのような進化を遂げるのか。はたまた、時代の
仇花として消え去っていくのか。それは、まだ誰にもわからない。

Fin